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家庭血圧計でパニック!

   

「高血圧を放置すると怖いですよ」
ということで、家庭での血圧測定が普及してきました。電気屋さんに行くと、ドライヤーや電気シェーバーの近くに血圧計のコーナー用意されており、数多くの血圧計が売られています。自宅で測ると正常なのに、診察室で測ると血圧が高い人が結構います。これを「白衣高血圧」などと言ったりしますが、要するに診察室に入ると、緊張感から血圧が上がっているということです。ほとんどは自宅で過ごすのだから、高血圧を治療するにあたっても、自宅の血圧がどうなっているのかが重要なわけです。家庭用の血圧計が普及したおかげで、この家庭血圧を誰でも簡単に測定できるようになったことは、高血圧治療において革命的な変化だと思います。ところが、この血圧計の普及がマイナスの影響を及ぼしている事が時々あるのです。

「血圧が160になったので心配で…」という急患が増えてきています。中には、それだけで救急車を呼ぶ人すらいます。家庭の血圧計が普及するまではあまり無かった現象です。

 最新の高血圧治療ガイドライン(2014版)によると、収縮期血圧140以上/拡張期血圧90以上(いずれか)で高血圧、それ以下で正常血圧となっています。ただし、正常血圧の中でも収縮期130-139/収縮期85-89(いずれか)を正常高血圧などど細かく分類しており、ややわかりにくくなっています。

Q(質問):ところで、高血圧を放置すると動脈硬化が進んだり、目や腎臓などの臓器の障害を起こしたりする訳ですが、どれくらい高くなると危険なのでしょうか?

A(答え):「人それぞれなので、わかりません」

高血圧とか正常高血圧などと定められている血圧の数値は、大勢の人を調査した結果「これ位が良いでしょうと決められたものです。なので、血圧が150/95で放置しても何も起こらない人もいれば、血圧を120/70と厳格にコントロールしていても病気なる人はいます。そして、高血圧が血管に与える影響は
 
 血圧の高さ×時間

で決まってくるので、一時的に血圧が高くなっても動脈硬化を起こすわけではありません。血圧という物は、時間帯や体調、精神状態などによって常に変動しています。普段の血圧が正常の人が、一時的に150を超えたとしても何ら問題はないのです。たまたま測った血圧が高めだと「これは大変だ」と、何回も測りなおす。すると不安のため更に血圧が上昇し、収縮期血圧が170mmHgを超えて救急車を呼んでしまう。こんな事が日常的に起こっているのです。

 家庭で血圧を測るとき、その場の血圧で一喜一憂するのではなく、長い目で血圧コントロールをしていく意識をもつことが大切です。

 - 医療と健康の話

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