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風邪の治るかぜ薬はありませんよ

      2015/02/23

冬になるとテレビでこんなCMをよく見かけます

「かぜを引いたら、早めに・・・」
「・・・をのんで、早く治しましょう!」

かぜの流行る季節にドラッグストアに行くと、総合感冒薬が山積みに。
よく売れてるんですね〜

かぜを引いて外来を受診する患者さんは大勢います。
その多くが
「早く治したくて」
「悪くなる前に来ました」
とおっしゃいますね。

大人のかかるかぜは、ほとんどがウイルス感染が原因と言われています。
鼻や口から入ったウイルスは、鼻腔やノドの粘膜で増殖します。
そこで炎症を起こすので、鼻水が出たり、ノドが痛くなったりします。
場合によっては、だるくなったり、熱が出ることもあります。

そこで、買ってきた総合感冒薬を飲む。
すると、症状が少し楽になりました。
かぜ薬が効いたわけです。

これは、薬の中に熱を下げたり、のどの痛みを和らげたりする成分が入っているからです。
一口に「かぜ」と言っても、いろんな症状の人がいます。
なので、総合感冒薬には様々な症状に効くように、複数の成分が入っているのです。

さて、かぜ薬を3〜4日飲んでいたら、だいぶ楽になってきました。
「ああよかった、早めにかぜ薬を飲んだから」
そう思う方も多いでしょう。

しかし、ここで大きな誤解があります。

薬 = 治すために飲む

と理解している方も多いと思いますが、現実はまったく違います。
医療で薬を使う目的は2つあります

第1は 「病気を治すため」

第2は 「症状を軽くするため」

そして現在、使われているかぜ薬の大半は、
第2の「症状を軽くするため」の物なのです。

『かぜの大半はウイルス感染で起こる』と考えられており、そのウイルスの種類は何百とあるそうです。
現在の医学では、治療薬の存在するウイルスは少なく、大半のウイルスには治療薬がありません。
かぜの原因となるウイルスは多種類存在しますが、それをやっつける薬はないのです。
(唯一の例外はインフルエンザウイルスですが、詳しくは別の機会に)

ですから、薬局で「かぜ薬」として売られている薬は、
「症状を和らげるための物」であり、
「かぜを治すための物」ではないのです。

ちなみに、病院で処方される薬も同様です。
医師は、患者さんの症状を聞いて、それに応じた「症状を和らげる薬」を処方しているのです。
時々、かぜに対して抗生物質を処方するお医者さんがいますが、抗生物質はウイルスには効きません。かぜから他の合併症(副鼻腔炎や化膿性扁桃腺炎、肺炎など)を起こした時にだけ必要となります。

「先生、早くかぜが治る薬をください」
なんて無理を言って、困らせないようにしましょう。

かぜを治すのは『自分の免疫力』です。

登山と健康のサイト《山と健康のコンパス》ブログ

 - 医療と健康の話

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