気管支喘息と山登り
山と健康のコンパス
【クイズ】この山はどこでしょう?
(答えは写真をクリック)
難易度★

 気管支が一時的に収縮を起こして空気の通りが悪くなってしまう病気です。普段は何ともなくても、発作が起こると呼吸が苦しくなります。原因はアレルギーにより気管支に炎症を起こすためで、アレルギーの原因物質を吸い込んだり、自律神経が乱れたりすると発作が出るようになり、しばらくの間は発作を繰り返すようになります。症状は呼吸が苦しくなるばかりでなく、しつこい咳として出ることもあり、《咳喘息》と呼ばれます。
 重症の発作を起こすと、呼吸困難となり命取りになることもありますので、普段からしっかりとした治療が必要です。近年は吸入薬(ステロイドと気管支拡張薬の配合剤)が普及し、治療成績が飛躍的に良くなりました。

【山に登っても大丈夫?】
 喘息があるからといって山登りが絶対にできないと言うことはありませんが、慎重な用意と、リスクに対する覚悟が必要です。山に入るのであれば、日常から発作が出ない状態にしておくことは最低条件です。昼間は大丈夫でも、早朝などに軽度の発作が出るようであれば、喘息の治療としては不十分ですので入山は控えましょう。普段からピークフローメーターでピークフロー値を測定しておき、入山前にコンディションをチェックしておくと安心です。
 万が一、登山中に発作が起こったり、その前兆を感じたときには、速やかに下山しましょう。

【アドバイス】
 喘息は特定の物質(アレルゲン)が引き金になる場合がありますので、まずは自分がどんなアレルギーを持っているかを把握しておく必要があります。特にスギ・ヒノキなどの花粉は山で多いので季節よっては要注意です。他にはダニ・ハウスダストなどにアレルギーがある方は山小屋の布団や畳、寝袋などにアレルゲンがあるかもしれませんので気をつけなくてはならないでしょう。食べ物にアレルギーのある方は小屋の食事にも注意しなくてはなりません。特定のアレルギーがない場合でも、様々なキッカケで喘息の発作は起こります。気温や気圧の変化が誘因になることもあるので、入山前は問題なくても山の中で発作を起こすリスクはあります。
 喘息のある方で山登りを志すのであれば、普段からしっかりと喘息の治療を行い、発作が起きにくい状態を保つことが大前提です。年に何度も発作を起こしているようであれば山には入らない方が良いでしょう。さらに山に入る際には、即効性の気管支拡張薬(サルタノール、メプチンエアーなど)のスプレーを必ず携帯しましょう。

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