糖尿病と山登り
山と健康のコンパス
【クイズ】この山はどこでしょう?
(答えは写真をクリック)
難易度★★★

 糖尿病患者数は増加しており、登山をされる方も増えていると思われます。有酸素運動である登山も糖尿病には良い影響がありますが、場合によっては注意が必要です。
 糖尿病は血糖(血液中のブドウ糖)が多くなってしまう病気です。体内ではインスリンというホルモンが作られており、これが血糖を下げる役割をしています。何らかの理由でこのインスリンが作られなくなった場合を1型糖尿病、インスリンはあるが肥満や運動不足などが原因でその働きが弱くなってしまった場合を2型糖尿病といいます。成人が生活習慣病として発症する場合の多くは2型糖尿病です。
 糖尿病と一口に言っても軽症と重症では大きな違いがあります。初期の糖尿病では食後の血糖値は高くなるが、次の食事前には下がっています。これが重症化してくると食事前の血糖まで高くなってしまいます。初期の糖尿病(境界型などとも呼ばれる)の段階では食事療法・運動療法を行うことで良い経過を辿ることができますが、「カロリーの過剰摂取」、「間食を繰り返す」、「ジュースなど甘いものを取りすぎる」などがあると徐々に重症化していきます。そうなると尿糖が増える、体重が減る、疲れやすい、感染症になりやすいなどの症状がみられます。そうなると飲み薬やインスリン注射などの治療が必要となってきます。

【山に登っても大丈夫?】
 境界型や軽症の糖尿病で食事療法・運動療法のみの方でしたら特に心配はありません。一方、内服薬やインスリン療法で治療を受けている方は要注意です。血糖を下げるために体内のインスリンを増やす薬がよく使われますが、その量は日常生活での運動量に合わせてあるため、多量のカロリーを消費する登山を行った場合には低血糖を起こしてしまう可能性があります。インスリンを注射している場合も同様です。この様な方は必ず主治医に相談してから山に入るようにしましょう。

【注意すること】
 上記の通り低血糖の危険があります。必ずブドウ糖を持参して、低血糖の症状が現れたら早めに摂取するようにしましょう。普段から血糖が高い人は脱水などが重なると意識障害を起こすことがありますので、普段からしっかりと治療をしておきましょう。

【アドバイス】
 インスリン注射をしている方は普段から血糖の自己測定をしていると思います。山にも必ず持参して、おかしいなと思ったら血糖をチェックしましょう。飲み薬だけの方は通常では自己測定をしていないと思います。しかし、保険適用外で全額自費となりますが血糖測定器を購入する事は可能ですので、糖尿病治療中の方は測れるようにしておくと良いでしょう。