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山登りとダイエット
⑤食料で注意すべき事

登山でダイエットするにあたり、注意すべきこと&アドバイスを解説します。

必ず予備食・非常食を持ちましょう

登山でバックパックに入れていく食料は3種類あります
A)行動食:登山中に食べる予定の食料.。
おにぎり、パン、エナジーバーなど好みに応じて
B)予備食:予定より行動が長くなったり、特に空腹になった時に食べるための食料。
必要が無かったら持ち帰ることになる。
行動食と同じでも可だが、軽量化したければ軽い物を選ぶ。
C)非常食:何らかの原因で下山できなくなったとき(ビバーク時)、一夜〜数日間を持ちこた
えるための食料。
基本的に日持ちが良く、軽量で高カロリーの物がベスト。甘い物も入れておきま
しょう。

《ギリギリの食料だと…》
もしも、行動食しか持たずに山に入ったら、怪我や天候悪化、道迷いなどのトラブルにあった時に対応できません。一晩くらいなら何も食べなくても我慢できるかもしれませんが、エネルギー不足があると意志力・判断力が低下したり、バテにより行動不能を起こすことになります。さらには低体温症を起こしやすくなり危険です。予備食・非常食を持参しましょう。

《ダイエットしたい人へ》
山ヤセを目的にして食事を抑えている場合は特に注意が必要です。「腹が減って動けない!」なんて事態に備えて、食べる予定の無い食料(予備食)は必ず持つようにしましょう。
「どうしても軽量化したい」「下山が遅れる可能性はかなり低い」そんな場合であっても、非常食だけは持つようにしてください。周囲の人たちへ迷惑をかけないためにも、これは登山者の義務だと思います。

【おすすめの予備食・非常食】
☆ジフィーズ:軽くて日持ちがする。いざという時は水でも調理可。ザックの底に入れっぱなしでもOK。すぐには食べられないのが欠点。
★エナジーバー:軽くてそこそこカロリーがある。意外と賞味期限が短いので注意。
☆アメ・キャラメル・チョコレートなどの甘い菓子:昔からの定番です。
★ナッツ類:けっこうハイカロリー。疲れた時はしょっぱい物も欲しくなりますよね。

私はこうした物を組み合わせて、小さなタッパーに入れて持ち歩いています。非常食は出番の無いままに、長い間ザックに入れたままの事が多いので、いつの間にかボロボロになっていることも…

泊まりの山行について
《泊まりでは注意が必要》
これまで解説してきたことは、主に日帰り山行を想定しています。山小屋やテントに泊まり、翌日も行動するのであれば状況が変わってきます。前日に「摂取カロリー< 消費カロリー」であると、翌日の行動に悪影響が出る可能性があるからです。日中の行動で消費した肝臓や筋肉内のグリコーゲンが休息中も十分補充されず、翌日にバテが早く出てしまう恐れがあります。

《筋肉が消耗することに…》
グリコーゲンの材料になるのは糖質ですが、これが不足しているとアミノ酸を材料にして糖を作ります。これを糖新生と呼び、主に肝臓で行われます。ところで、このアミノ酸はどこから来るでしょう?それは筋肉です。筋肉のタンパク質を分解してアミノ酸を作り、これを糖に変えるのです。その際にエネルギーが必要になるのですが、これは脂肪を分解してまかないます。空腹を我慢しても「脂肪⇒糖」という代謝は残念ながら起こらず、主な材料は筋肉のタンパク質です。登山中に筋肉を消耗するのは出来るだけ避けたい事ですよね?ですから、泊まりの山行では十分な量の食事を摂る事が理想です。

《例外もあります》
実際のところ、長期のテント山行などでは、荷物の制約から食料を切り詰める事も行われています。ただし、これはある程度「山慣れ」した登山者がするべきものです。初級者が真似するとバテて行動不能になったり、途中で食料を切らしてしまったりする恐れがありますので注意しましょう。

《つまり、山ヤセを求めるのなら…》
結論として、登山にダイエット効果を期待するのであれば、日帰り山行がベストということです。泊まりの山行であれば、カロリー制限が可能なのは最終日のみで、それ以外は翌日に備えて十分に栄養をとる必要があります。

前の記事:山登りとダイエット ④登山中の食事のとり方


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①登山の消費カロリー
②登山には糖質が必要
③登山ダイエットに潜む危険
④登山中の食事のとり方
⑤食料で注意すべき事

 

公開日: 最終更新日:2017/02/06